放送24日前――12月12日、『東京24区』第１話先行上映会が都内某所で開催された。MC・吉田尚記の挨拶とともに壇上に招かれたのは、榎木淳弥（蒼生シュウタ役）、石見舞菜香（翠堂アスミ役）、ストーリー構成・脚本の下倉バイオ（ニトロプラス）、企画プロデュースの鳥羽洋典（アニプレックス）。

まず解禁されたばかりのキャラクターデザイン・岸田隆宏が描いた第２弾キービジュアルが紹介され、キャラクターそれぞれの特徴について語った。
「最初に監督から群像劇をやりたいと言う話があったんです。家柄も趣味も性格も異なる3人組ということで、RGB（ブルー＝蒼生シュウタ、レッド＝朱城ラン、グリーン＝翠堂コウキ）を書かせていただきました。
３人とも視点が違って、立場も違う、属するコミュニティも違う。その３人がひとつの問題に向き合っていくというお話になっています」（下倉）

【主人公・蒼生シュウタ（CV.榎木淳弥）】
「蒼生はパン屋の息子です。ヒーローとしてありたいと思って、ヒーロー活動をしていた……けれども、いろいろあって今は……という感じで。基本的には熱血タイプで。（戦隊ものならば）レッドのような性格があるのですが、ブルーというところに彼のキャラクター性があると思います」（榎木）
「真っ直ぐなヒーローとして書き始めたんですが、書いていくうちに等身大の悩みを抱えた感じになりましたね」（下倉）
「最初は夢を持って生きているキャラクターだと考えていたのですが、挫折があったときにどうするのかなと。どうしてもキャラクターを掘り下げていくと、キャラクターが勝手に動き出すものなんです」（鳥羽）
「シュウタの名字にも入っている、蒼は未熟という意味でのアオ、アオいという意味なのかなと思っていました」（榎木）

【朱城ラン（CV.内田雄馬）】
「グラフィティアーティストの活動をしていてネット配信をしているキャラクターです。アーティストタイプというか天才気質。まさに内田雄馬くんにぴったりのキャラクターです。自分の信念はしっかり持っているので、たしかにレッドだなと思わせる部分もあります。もしかしたら一番オトナなキャラクターかもしれないですよね」（榎木）
「ですね！いまはバンクシーが話題になっているじゃないですか。壁に落書きすることは法律に違反していることでも、彼は自分の信念を持って行っている。アウトロ―だけど、自分の信念があるというキャラクターですね」（下倉）
「この作品を企画していたのは２年前なのですが、そのころはバンクシーが、まさか東京で個展がされるなんて思ってもいませんでしたからね。時代に追い付かれたなという感じがあります」（鳥羽）

【翠堂コウキ（CV.石川界人）】
「お兄ちゃんはわりとお固いまじめなイメージがありますね。コロナ禍ということもあり、分散収録だったので、石川界人さんのお芝居をまだ全編拝見していないのですが、シュウタとランと比べると、冷静なイメージもありながらも、ちょっと暴走しちゃう一面もあるキャラクターなのかなと私は思っています」（石見）
「コウキは自制心が強いので、その分ため込んでしまうんです。彼は24区の区長のお坊ちゃんなので、その分周囲から期待されプレッシャーも強くて、鬱屈としたものを抱えていて、それがストーリーに大きく関わっていくんです」（下倉）

本作のキャッチコピーは「未来を選べ」。このキーワードを軸に鳥羽が作品のコンセプトを説明した。
「津田監督にお会いしたときに、オリジナルアニメに興味はありますか？と尋ねたら、『やりたいネタがある』と言われたんです。最近のアニメやゲームでたくさんある『やり直し』『世界をもう一度作り直す』みたいな『ループもの』作品のカウンターとなる作品を作りたいと」（鳥羽）

「人は決断したら、その未来を生きるしかない」というテーマで、三者三様の選択をしようとするドラマを織り交ぜた作品にしようと鳥羽と監督の津田は考えたという。
「じゃあ、脚本家さんはゲームを手掛けていて、『ループもの』をよくご存じの方が良いだろうということで、下倉さんにお願いしたんです」（鳥羽）
「いままでゲームは色々やってきたんですが、アニメに関わることはほとんどなくて。今回、ほぼ初めてのストーリー構成・脚本を担当させてもらいました。ゲームだとセーブポイントがあって、そこでお話をやり直すことができるのですが、アニメはやり直しがきかない。そこでゲーム的な想像力をアニメにつなげようと。監督や鳥羽さんとお話をしながら本作を作っていきました」（下倉）
「毎話、重い選択を、僕ら３人（シュウタ、ラン、コウキ）が突き付けられるんです」（榎木）
「私（アスミ）は３人に問題を出す側です。アスミがどのような選択を提示するのか、毎回楽しみにご覧いただければと思います！」（石見）

そして、RGBの３人を演じるキャスト（榎木淳弥、内田雄馬、石川界人）が歌うエンディングテーマ「255,255,255」（作詞・作曲・サウンドプロデュース下村亮介（the chef cooks me））についても紹介された。
「びっくりしました。めちゃくちゃオシャレな曲で。作品にすごく合う曲になったなと。ポップな感じになっていて、『東京24区』のスタイリッシュな雰囲気になっていると思います」（榎木）

最後に、登壇者から観客へメッセージが贈られた。
「僕たちは、みなさんの感想が全てで、モノを作っています。みなさんの忌憚のない感想をSNSでもらえればと思います。スタッフはみなさんの意見をもちろん拝見していますし、その意見が僕たちの励みになったり、今後の成長につながります。どんどん感想を送ってください。楽しみにしています」（鳥羽）
「アニメの脚本を、毎週盛り上がるように構成しています。みなさんといっしょに作品を盛り上げていければと思っています」（下倉）
「この作品はオリジナルということもあって、先が全然読めない展開で。収録をしている段階でも、ほかの役者さんたちとどうなるんだろうねと毎週お話しながら収録していたなということを覚えています。私も先ほど映像を見たのですが、とにかく綺麗でオシャレな演出で、映像を見るとワクワクします。ぜひ最終話までお付き合いいただけたらと思います」（石見）
「第１話のアフレコが終わったあとに、（石川）界人くんが『楽しかったー！』と言いながら帰っていったんです。我々も手ごたえを感じながら作っておりますので、これから観ていただく皆さんも満足していただける出来になっているんじゃないかなと思います。口伝でも良いですから、ご感想などをぜひお友達へ伝えていただけたらと思います」（榎木）

４人は温かい拍手とともに壇上をあとにすると、第１話の上映がスタートした。

東京24区を舞台に、シュウタ、ラン、コウキ、そしてアスミの物語が始まる――。